SF大会ってどんなもの?

 SF大会。

 興味あるけどよく判らない。そんな方々のために、どんなことをしているのか、どうすれば参加できるのかなどをお伝えします!

SF大会のはじまり

 1962年、MEG-CON(東京目黒で開催されたのでメグコン)として第1回の幕を開けたSF大会。
 1939年から開催されている世界SF大会(ワールドコン)に影響を受けたものです。
 それまでにも日本には「空想科学小説」はありましたが、戦後の進駐軍と共にアメリカからやってきたばかりの「エスエフ」なるもののファンが一同に集まりました。 

 エスエフという言葉は、世の中にはまだほとんど知られていません。けれど、それが好き! という一念で集い、新しい作品や自分が持っている情報についてみんなと話をする楽しさは、今も昔も変わっていません。

 周りには自分の好みや話しが通じないけれど、ここに来れば全員が同好の士である。この喜びは変えがたいものですね。

 なにせSFというジャンルの黎明期ですから、はじめはプロもアマチュアも区別はありませんでした。主催の柴野拓美(翻訳家)の誘いに集まったのは、星新一、筒井康隆、手塚治虫、石森章太郎、眉村卓、矢野徹、光瀬龍、伊藤典夫などのそうそうたるメンバー。

 こちらに貴重な写真が掲載されていますのでご覧ください。
 neelsebub.com/Ukiryu/Misc/Con1.html

  •  同じ趣味の人たちといられる「お祭」である
  •  プロもアマチュアもみんな一緒に
 この心意気は、初期の頃から現在に至るまで変わらない、SF大会の魅力です。  
ファンもプロも、性別も国籍も関係ない!

(1983年 DAICON4)

SF大会の名称

 SF大会は、正式名称を「第○回日本SF大会」といいます。
 毎年必ず、日本のどこかで、ボランティアによって運営されてきました。現在はやりたいファンが立候補し、日本SFファングループ連合会議が「じゃあ、この年はこの場所で」と承認するシステムになっています。

 たいていは地域の名前と、コンベンションの ~con  を組み合わせた名称になっています。大阪ならDAICON、名古屋ならMEICON。たくさん開催されている東京は、コンベンションではなく地名を意識して、TOCONではなくTOKONと表記されます。
 ネーミングに規定はありませんので、ジュラコン(開会ホテルの名前から)、こいこん(広島。地元の野球チームの名から)、SF60(第60回なので還暦を記念して)などがあります。

 福島と復興のダブルミーニングになっている我々「F-CON」は本来2020年の夏に開催する予定の第59回日本SF大会でしたが、このコロナ禍で延期に次ぐ延期。ついには、パンデミックが小休止したラッキーなタイミングの第60回(高松、2021年、「SF60」) に追い越されるという、大変珍しいことになってしまいました。

星雲賞の投票権が得られる

 大会に参加すると、毎年の星雲賞の投票権が得られます。

 星雲賞は1970年に創設された「ファンが選ぶ年間最優秀作品」に贈られるもので、日本長編、日本短編、海外長編、海外短編、メディア、アート、ノンフィクションなど、さまざまな分野に分かれています。

 出版社やメーカーなどの大人の事情がまったくはいらない、純粋な人気投票として確固たる位置を獲得しています。

 星雲賞 – Wikipedia

 受賞作は大会中に発表され、メインホールなどで授賞式が執り行われます。めったにお目にかかれないご高名な方々をナマで見るチャンス!

どんなことするの?

 多すぎて書ききれませんが、代表的なものをご紹介します。

メインホール企画

 オープニングやクロージング、各賞授賞式はここでやります。
 宿泊型(後述)の場合は大広間が使われることもあります。

 大会がイチオシする企画もここです。
 例えば、シンポジウムやパネルディスカッション、上映会、大勢の観客が見込まれる企画など。

分科会企画

 SF大会では、常に10ほどの企画が各部屋で同時開催されています。
 部屋の大きさや企画の種類によって、規模はさまざまです。

 分科会、というと難しいイメージを持たれてしまいそうですが、そんなことはありません。

 聴衆を巻き込んでの座談会、馬鹿話炸裂の作品解説、新作を出した作家と読者の部屋などが多いですが、ずっとゲストと宴会をしている部屋も! 他にも、アニメ企画、ぬいぐるみファンの集まり、ボードゲームの部屋、などなど、楽しいものがたくさん!

 きっとタイムテーブルとにらめっこして、参加の順番を決めるのに苦労することと思います。

ディーラーズルーム

 広い部屋に物販のブースがずらり。コミケやワンフェス的なものを想像してくださってかまいません。

 クリエイターがみずから手売りをしてサインを入れてくれたりもします。
 SFファンならではの貴重な出品もあります。

 場所が大きいので、大会によってはこの部屋にサブの舞台を組むこともあります。

 とにかく買いすぎには注意! もちろんたいていは宅配業者と提携していて自宅へ発送できますが。

大会ならではの珍しい企画

 大会によっては「えっ、こんなことするの、すごい!」というものもたくさんありました。

 例えば、加藤直之さんのライブペインティング。超大型。
 藤井太洋さんによるライブライティング。みんなの前で原稿を執筆なさってました。びっくり。

 過去の大ものでは、DAICON4におけるフルオーケストラコンサート、彩こんの堀江美都子さんミニコンサートなどなど。

 次はどんなものが出てくるのか、毎年楽しみです。

ライブペインティング
公式ラッピングカー展示

恒例の企画

 分科会企画は、大会側が用意した公式企画と、参加者が「こんなのやりたい」ともちかけた自主企画の二種類があります。

 自主企画ではあるけれど例年好評を博してほぼレギュラー化しているものをご紹介します。
 毎年企画されるという保証はいたしかねますので、ご了承ください。

サイン会

 公式企画になる場合もあります。なににせよ、サインの時間は必ず設けられます。お目当てのクリエイターが担当する時間をお見逃しなく。

 もちろん、お見かけしたときにいただくのも大丈夫。失礼にならないようにお願いしてみましょう。

時刊新聞

時間ではありません。「時刊」です。
大会中何十号も発行され、瓦版よろしく会場内を配って歩いてくれます。

回りきれない分科会の様子、ゲストの手書きコメント、突発企画の告知など、情報は盛り沢山です。
毎年のコンプリートを目指している人もいます。

小さなお茶会

ゲストとそのファンの茶話会です。差し入れも歓迎。だいたい十名ほどが参加できます。

タイムテーブルが手に入ったら、お目当てのゲスト様のお茶会があるかどうかを、まず確認しましょう。申込方法は先着順のことが多いので絶対にチェックです!

シール企画

 御朱印帳的存在です。
 シールを貼り込むブックをもらって、プリクラサイズのシールを収拾します。

 参加者は自分でシールを作ってくる人もたくさんいて、交換がさかん。人見知りさんが話し掛けるきっかけになってくれます。

 企画のシール、ゲストのシール、いろいろ集めてみましょう(全員が準備しているわけではありません)。
 配りきったり作ってこなかったりしなくても大丈夫です。シールを作ってくれるコーナー(有料)もあります。

キッズコン

 お子様連れ、ご家族連れの参加者も多いです。もちろんお子様から目を離さないのが基本ですが、どうしても見たい企画がある場合、キッズコンの主催者にご相談下さい。
 子ども好きの有志が、ご都合の悪い時間にはお子様を遊ばせてくださいます。

 お時間のある方は、キッズコンの部屋で子どもたちと遊んで下さいね。

宴会

 必ずどこかでやっています。特に宿泊型(後述)ではあちこちの部屋で乱立状態。

 未成年が飲酒しないよう、参加者のネームプレートにはマークがついています。

 アルコールは節度を守ってお飲みください。トラブルが起きるとその場所が使えなくなったり、スタッフが警察に謝りに行く羽目になります。

ホワイエの談笑

 玄関ホールや部屋を出たところの空間をホワイエと呼びます。

 SF大会でもっとも重要な場所ではないでしょうか。

 時間の空いたゲストとファンが邂逅し、昔仲間を見つけて呼び止め、同じ趣味の人たちと熱く語らう。
 コミュニケーションの天国がここにあります。

都市型と宿泊型

 さまざまな人が日本各地で開催するSF大会ですから、それぞれに特色があります。
 大きく分けて、二つ。

  • 都市型
  • 宿泊型

 都市型は、昼間は会館や会議室を使って企画を行い、夜はそれぞれがホテルなどに戻って休みます。ただし、公式が宿泊所を斡旋する場合も多くありますし、合宿を企画するグループもあります。

 宿泊型は地方大会に多く、リゾート地や温泉ホテルなどで行われます。
 会場に会議室が全くない、座敷ばかりのときもあります。
 夜通し企画をやる大会と、夜は企画をなくして休んでもらう大会があります。
 夜に企画がなくても宴会は勃発するので、飲み過ぎや寝不足など体調管理にご注意を。

 今年のF-CONは、宿泊型で夜通し企画アリです。
 たっぷりお楽しみ下さい。

自治体の協力

 先達たちのお蔭でSFが浸透し、多人数の参加者が見込めることから自治体が積極的に協力してくださることも多くなってきました。

 大会の配布物セットに、地元で使える特典クーポンや観光案内パンフレットなどが入っていることがありますので、フライヤー(ちらし)類もチェックしてくださいね。

 宿泊場所や自治体が、企画、物販、出展、出張サービスをしてくださる場合もあります。

ご参加をお待ちしております!

 いかがでしたでしょうか。

 行ったことがない不安を、少しでも軽減できたなら幸いです。

 怖くないです。
 楽しいです。
 楽しみです。

 F-CONのお申し込みは、ページ上部の「参加申込み」をクリックしてください。
 例年は次年度開催の予備登録ディーラーズルームなどで募集していますので、楽しすぎたらそのまま来年分を申しこんでしまいましょう。

 F-CONの魅力は、同じく上部の「プログレスレポート(大会までの広報誌)」をご覧ください。今年はホテルがとってもステキで料理もおいしいという、パラダイスです。

 どうぞみなさま、ふるってご参加ください。