第51回星雲賞受賞作一覧

星雲賞は、2020年8月22日に生放送で発表いたしました。
発表動画は【YouTube F-CONチャンネル】にてご視聴いただくことが可能です。
受賞の言葉は放送用に頂きましたが、放送に出演いただいた菅浩江さんと大森望さんは動画ならではのコメントがございますので、動画のほうもご覧いただければ幸いです。

 

日本長編部門(小説)

Signpost to the Stars
by ISSUI OGAWA
(HAYAKAWA PUBLISHING,INC.)

日本短編部門(小説)

Mizu No Tsuki (Invisible moon)
by Hiroe Suga
(HAYAKAWA PUBLISHING,INC.)

海外長編部門(小説)

三体

The Three-Body Problem
by Liu Cixin
translated by Nozomi Ohmori, Toya Tachihara, Sakura Mitsuyoshi and Wan Zai
(HAYAKAWA PUBLISHING,INC.)

海外短編部門(小説)

Uncanny Valley
by Greg Egan
translated by Makoto Yamagishi
(HAYAKAWA PUBLISHING,INC.)

メディア部門

ASTRA LOST IN SPACE
directed by Masaomi Ando
created by Lerche
Original comic by Kenta Shinohara

コミック部門

How many light-years to Babylon?
by Dowman Sayman
(AKITA PUBLISHING CO.,LTD.)

BATMAN NINJA
by Masato Hisa
Characters&Supervision DC COMICS
(HERO’S INC.)

アート部門

Yuko Shiraishi

ノンフィクション部門

NHK’s Hyappun De Meicho (“100 minutes on a famous book”):
Sakyo Komatsu Special “Mythology in the Age of Godlessness”

by Tetsuya Miyazaki
(NHK Publishing, Inc.)

自由部門

The first-ever image of a black hole
by EHT (Event Horizon Telescope) collaboration

受賞者のコメント

日本長編部門

天冥の標 | 小川一水

 皆さん、こんにちは、小川一水です。
ビデオレターを送ろうと丸一日がんばったんですが、カメラを前にするとどうもうまくしゃべれなかったので、文章で失礼します。

このたびは、天冥の標に星雲賞をいただき、ありがとうございます。
しかし、社会が現実の感染症に脅かされている真っ最中の受賞であり、単純にうれしいと言い切れない、複雑な気持ちです。

まず、新型コロナウイルスが多くの罹患者や死者を出していることや、感染者への迫害が実際に起こっていることへの、痛ましさ、やるせなさを強く覚えています。
私は小説・天冥の標の中で、そのような光景を書きましたが、もちろん「どういうことが起こったら一番嫌だろう?」と想像して書いたのですから、実現してほしくありませんでした。

そのうえ、現在では想像をさらに超えて、巨大な経済的影響が現れています。感染を予防するために、あるいは感染を恐れて、人間が動かなくなっている。海外との行き来は停止し、お店や会社が閉まり、多くの人が職を失おうとしている。こういったことは、予測できませんでした。小説の中で一番嫌なことを想像したつもりなのに、現実に追い抜かれているのですから、なおいっそう悔しさを覚えます。

また個人的なことを言い出すと、今回のSF大会は福島での開催だということで、訪問を楽しみにしていました。私は東日本大震災の直後の五月に、バイクで福島を訪れています。内陸にまで点在していたブルーシート張りの家々や、海辺に連なる広大な廃墟を覚えています。そういった光景がどれぐらい復興しているか、今回は見られると思っていました。それが延期されてしまったのはとても残念です。

もろもろあって、今回の受賞は「おめでとう」ではなく、「なんとかなってくれ」という願いや祈りが集められたものだと、受け取ることにしました。それに応えて私としては、ガルパンじゃないですけど、「冷静に、助け合いを忘れずに、この災害を切り抜けよう」とお返事したいと思います。
皆さん、一緒にこのトンネルを抜けましょう。

小川一水

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日本短編部門

不見の月 | 菅浩江

 このたびは、拙作「不見の月」を星雲賞短篇部門に選んでいただき、ありがとうございました。お読みいただいた、そして投票してくださった、すべての方々にお礼を申し上げます。

また、イラストを担当してくださった十日町たけひろ(旧名・菊池健)さんに、特別な感謝を捧げます。十日町さんの美麗な絵がなければ、〈博物館惑星〉はこれほど多くの方々の手に渡っていませんでした。それを素敵なロゴで飾ってくださった早川書房デザイン室、担当編集者で貴重な第一読者である塩澤快浩さん、シリーズ再開の折り「黒い四角形」の初稿に目を通してくださった吉田隆一さん、時代が進んでもこのシリーズを愛してtweetなどで発信し続けてくださった方々、みなさんのお蔭です。ありがとうございました。

〈博物館惑星〉を書き始めて、もう二十年以上が経ちました。『永遠の森 博物館惑星』は星雲賞や推理作家協会賞など、たくさんの賞に恵まれ、「ああ、私は小説家なんだなあ」と思えた作品でした。

その後、プライベートにおけるさまざまな事情から、〈博物館惑星〉の続編を書こうと決意した時の心情は、単行本『不見の月 博物館惑星2』のあとがきにしたためてあります。
第一作の評判がいいものほど続編は難しい、というのは承知の上でした。最初の衝撃を上回らなければならず、かといって方向性を大きく変えることも読者への裏切りになり、前作以上の満足を提供しなければならないとは、なんという茨の道でしょうか。
今回、いわゆる〈博物館惑星 ルーキー〉シリーズの、しかも連載途中の短篇に星雲賞をいただいたのは望外の喜びでした。聞いた瞬間に変な声が出たくらい、まったく予測していませんでした。

現在は、今年に入ってからのコロナ禍のみならず、急速に進むデジタル化によって情報が無料に見える時代でもあり、SF的創作の才能が小説以外で多く発揮されているような事態でもあります。このような時だからこそ、美の殿堂・博物館苑惑星〈アフロディーテ〉の世界がいっそう素敵に見えるよう、そして自分もあそこに滞在するのを楽しめるよう、掌いっぱいにすくいあげたSF心で描いたつもりでいます。綺麗で優しくて心が少しじんわりする――そんな楽園への道筋を細くともご案内できているとしたら、小説家としてこれ以上の歓びはありません。

ちょうど『歓喜の歌 博物館惑星3』が発行され、〈ルーキー〉シリーズは一応の決着をつけられました。このシリーズが続けられるかどうかは、楽園とはうって変わっての生臭い話ですが、数字と評判によります。ぜひお読みいただき、ご感想をいただければ嬉しく思います。
ありがとうございました。

菅浩江

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海外長編部門

三体 | 劉慈欣
監修【立原透耶】翻訳【大森望、光吉さくら、ワン・チャイ】

 みなさんこんにちは。『三体』の著者の劉慈欣です。
『三体』が星雲賞海外長編部門を受賞したと聞いて、たいへんうれしく、光栄に思います。日本語版の出版社である早川書房と、すばらしい翻訳をしてくれた翻訳者の方々全員に感謝します。そして、この本を読み、楽しんでくれた日本の読者のみなさんにも感謝したいと思います。

この小説のテーマは、人類と異星文明とのコンタクトです。本書を通じて、それがたんなる絵空事ではなく、非常に現実的な問題だということを描こうとしたつもりです。なぜならそれは、いつ起きてもおかしくないからです。

もちろん、本書が描いているのは無数の可能性のうちのひとつでしかありません。他にもさまざまなシナリオがありうるでしょう。しかし、そのすべてに共通していることがひとつあります。
それは、全人類がともに直面しなければならない問題だということです。人類がどのような未来にたどり着くかは、いまのわたしたち全員に共通する選択と努力に大きく左右されます。もし『三体』がこの点においてみなさんの共感を得ることができたら、著者としてこれ以上の喜びはありません。みなさん、ありがとうございました!

劉慈欣

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 『三体』日本語版は、共訳者である光吉さくら氏、ワン・チャイ氏はもちろん、監修者である立原透耶氏、カバーイラストの富安健一郎氏、ノークレジットで題字を書いてくれたT嬢、早川書房各部署のみなさん、それになど、多くの方々の努力の結晶です。大森自身は、最後の半年間に日本語訳のアンカー役をつとめたにすぎませんが、この〝チーム三体〟を代表して、投票してくださったみなさんに御礼申し上げます。

劉慈欣『三体』は、ケン・リュウによって英訳され、アジアで初めて、また英語以外で書かれた小説としてはじめてヒューゴー賞長編部門を受賞。いまや世界的なベストセラーとなっています。
とはいえ、中国の本格SF長編が邦訳されるのはこれがはじめて。はたして日本の読者に受け容れてもらえるのか?
刊行前はかなりの不安とプレッシャーがあったわけですが、さいわいにも刊行直後から絶賛の嵐で迎えられ、『SFが読みたい! 2020年版』の「ベストSF2019」海外篇1位に続き、今回、星雲賞海外長編部門を受賞できたことで、どうにか恥ずかしくない結果を残せたと、日本語版チームの一員としてほっと胸を撫で下ろしています。ありがとうございました。

この『三体』は、地球外文明とのファーストコンタクトをテーマにした、アーサー・C・クラーク、小松左京の流れを汲む、ある意味たいへん古めかしい、〝大きなSF〟です。
文化大革命から始まって、後半にはほとんどバカSF的な大ネタも炸裂しますが、それがいまの日本でこれだけ多くのSFファンに、またふだんSFを読まない人々にも支持されたことは、SFが持つ可能性をあらためて思い出させてくれた事件でした。
SFファンの間では、『三体』を読みながらジェイムズ・P・ホーガン『星を継ぐもの』を思い出したという声がたいへん多く聞こえましたが、ぼくがこの小説を読みながら思い出していたのは、英国SFの鬼才、バリントン・J・ベイリーでした。私事ながら、自分が翻訳したSFが星雲賞海外長編部門を受賞するのは、1990年のベイリー『時間衝突』以来ということもあり、奇しき因縁を感じています。

ちなみに《三体》三部作の第二作にあたる『三体II 黒暗森林』は6月に刊行され、『三体』を上回る好評をいただいています。完結編にあたる『三体III 死神永生』は、現在、翻訳作業が進行中で、2021年春の刊行予定です。スケールはさらに大きく広がり、個人的には、21世紀最高のワイドスクリーン・バロックだと思っています。

ご期待ください。

大森望

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海外短編部門

不気味の谷 | グレッグ・イーガン
翻訳【山岸真】

 このたび、わたしの作品「不気味の谷」が2020年星雲賞海外短編部門を受賞したことを知り、大変光栄に思います。

訳者の山岸真さん、出版社の早川書房、星雲賞の投票者のみなさま、そしてわたしの作品を支持してくださる多くの日本のSF読者のみなさまに、お礼申しあげます。

わたしが作家業を続けてこられたのは、日本のSFコミュニティのおかげである面が大きく、過去30年間にわたってわたしの作品が高く評価されてきたことへの感謝の念は、これからも変わることがないでしょう。

グレッグ・イーガン

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 十年ぶりのイーガンの星雲賞受賞です。
びっくりしました。

受賞作と「ビット・プレイヤー」を合わせて、イーガン作品に投票していただいたみなさま、ありがとうございます。
ネットで「むずかしイーガン」というフレーズがネタのように出まわっていても、とにかく話題になるのはいいことだと思ってそっと見守るだけにしてきましたが、今回の受賞作は比較的「やさしイーガン」「わかりやすイーガン」です。

イーガンに手を出しそびれていた方も、この受賞をきっかけに受賞作を含む短篇集『ビット・プレイヤー』あたりから読みはじめてみていただければと思います。

この先もイーガンの短篇集をなんとかしてもうちょっと出したいので、みなさまよろしくお願いします。

山岸真

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メディア部門

彼方のアストラ | 監督【安藤正臣】原作【篠原健太】制作【Lerche】

 この度は歴史有る賞に選んで頂き有難う御座いました。ずっと憧れていた賞で、とても嬉しいです。
アニメ製作は「めぐりあい」。
アストラの劇中と同じ様に、運命的に同じ時代、同じ現場に居合わせた各セクションのプロフェショナルが、この偉大な原作に出会い、そのアニメ化と言う長く苦しい旅を互いに団結し踏破した結果がこの受賞に結実したと思っています。
そして何より今回の受賞は篠原先生の素晴らしい原作が有ってこそ。これをきっかけに「彼方のアストラ」と言う作品がより多くの方に触れて頂ければ幸いです。

安藤正臣

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 星雲賞という自分が子供の頃から見ていた多くの名作が受賞されている誉れ高き賞。 そんな賞を「彼方のアストラ」で受賞できました。なんと光栄なことか。Lercheを代表して応援して頂いたファンの方、そして作品に参加したスタッフにも心から感謝をいたします。

篠原先生の「彼方のアストラ」という素晴らしい原作をアニメーション作品にする!という私たちの冒険も、安藤キャプテンを筆頭に構成脚本の海法(かいほう)さんやキャラクターデザインの黒澤さんなど、この場では書ききれないほどの多くの仲間たち。彼らの情熱が形なり星雲賞という一つのゴールにたどり着いたのだと思います。

皆で作った作品が星雲賞に残る素晴らしいアニメーションになった事を本当に幸せに思います。今後とも素晴らしい作品をこの世に発表できるようにLercheスタッフ一同邁進いたします。
本当にありがとうございました。

比嘉勇二(Lercheプロデューサー)

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コミック部門

バビロンまでは何光年? | 道満晴明

 吾妻ひでお先生や萩尾望都先生ら偉大な先達が受賞してきた栄誉ある賞に選んでいただき、とても光栄です。
これでこのコミック部門の権威とハードルもだいぶ下がったのではないでしょうか。

道満晴明

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ニンジャバットマン | 久正人

 星雲賞コミック部門で『ニンジャバットマン』漫画版に投票していただいた皆様ありがとうございます。
また、『ニンジャバットマン』やコミック部門に関わらず星雲賞に投票し盛り上げてくださった皆様ありがとうございます。

この度第51回星雲賞コミック部門受賞という栄誉に恵まれて嬉しいのはもちろんですが、同時に大変驚いております。というのも僕は学生時代デビューを目指してとある雑誌の新人賞に応募し続け、そこで獲ったのは最高でも上から3番目の賞で、しかもその作品は掲載されることなくデビューには至りませんでした。
その後他の雑誌に持ち込みをし直してヌルッとデビューして以来17年「このマンガがすごくない」「次にこないマンガ」作品を描き続け、賞とは一切無縁の漫画家生活を送ってきたからです。
まさか漫画家人生で初めて手にする賞があの星雲賞とは!びっくりです。
星雲賞作家、肩書きが一気にカッコよくなりました。

この『ニンジャバットマン』という作品は映画が先にあり、それのコミカライズ作品です。映画をご覧になった方はお分かりだとは思いますが「絵が動くアニメーション的快感が90分ノンストップで続く」作品です。
これを毎月ごとにストップする連載漫画で成立させるにはどうすればいいのか、公式でバットマンが描けるという魅力的すぎるお誘いを受けたものの、これには本当に悩みました。
そこで映画では物語の導入として機能していた「バットマンとヴィランが戦国時代の日本に来る」というタイムスリップ要素をより突き詰めることにして、時代による価値観・倫理観の違いが彼らの戦いにどう影響するのか?殺し合いが日常の世界で、バットマンの不殺の正義は成り立つのか?
21世紀のテクノロジーを失った彼らは戦国時代に何を見出すのか?をテーマに据えストーリーを再構築しました。結果映画とはガワは似ているけれど根本がずいぶん変わったこの漫画版のそういった部分がSFファンの皆様に評価されたのだとしたら非常に嬉しく思います。「伝わったんだ」という事が漫画家にとっては何よりの励みです。
今回は本当にありがとうございました。

久正人

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アート部門

シライシユウコ

 この度は、身に余る賞を賜りとても光栄です。ありがとうございます。

平凡な日々の中でいつも友人や知人、周囲の人々に恵まれていると痛感しているのですが、今回の受賞もまさに色々な方々のお陰でうっかり頂いてしまった幸運だと思います。
先ず素晴らしい小説があり、そのお手伝いをさせて頂く機会に恵まれたこと。
その機会を与えて下さった編集者の方々と出会えたこと。そして何より、私の絵を受け止めて下さった優しい読者さま方がいらっしゃったこと。
この三つと、加えて書ききれないほどの小さな幸運のお陰で今の私と、今回の受賞があると思います。心より感謝致します。

様々な文芸ジャンルの中でもSFとご縁があったのは、私自身が架空の物語を好むから、ということも関係しているかもしれません。
ここではない別の世界を描いた物語が好きなので、その趣向が絵ににじみ出ている可能性はあります。
しかし私はSFの代名詞でもある「宇宙船」や「ロボ」を描かないイラストレーターです。物事はそれぞれ得意な人がやればいいというスタンスなので、今後も私が無理に描くことはないと思います。
ですが、SFの代名詞を描かないということは一歩蚊帳の外にいるという感覚があり…簡単に言うと宇宙船すら描かない人間はSFの賞とは無縁であろうと…。
そのため自分が星雲賞を頂くことはこの先もずっと無いだろうと思っていました。なので今回は本当に驚いています。

個人的に、SFの最大の魅力は自由であることだと思っています。
SFは特に未来や異世界を舞台にした作品が多く、それは誰も知らない世界です。
一般小説では”現実”という基盤がありますが、それを超えても成り立つのがSFです。
もちろん技術、物理、化学をきちんと把握したうえで描かれた作品も多いですが、主人公が闊歩する世界そのものは視覚的に自由な空間が作り上げられていると思います。
私がSF小説のお手伝いをさせて頂けるのもこの自由な側面のお陰かもしれない、と思います。
格好いい宇宙船が描かれた表紙はまさにSFの象徴です。でも、今のSFはもっともっと広大なのだなと思いました。

まだまだ未熟の身ですので、今後も読者さま、作家さま、編集者の方々に少しでも楽しんで頂けるような彩をご提供できるよう精進したいと思います。
ありがとうございます。

シライシユウコ

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ノンフィクション部門

NHK 100分de名著『小松左京スペシャル 「神」なき時代の神話』 | 宮崎哲弥

 参考候補作にノミネートされただけで望外の喜びでした。
もとより私の専門は仏教思想研究や政治経済の論評であり、いままでSF界とは縁もゆかりもない書き手、コメンテータに過ぎなかったからです。

こんな部外者が、星雲賞のごとき栄えある、赫々たる授賞歴を誇るアワードの候補に名を連ねてしまってよいのか、と痛み入りました。まして受賞など夢寐にも思いませんでした。ありがとうございます。
これもことによると、いまは純粋意識体と化して宇宙に遍在するダルマとなった小松左京氏の後押しによるものかもしれません。

「ささやかな恩返し」のつもりが、とんだ「役得」を得てしまったようです。これからさらに恩に報いていかなければならない、と心を引き締めております。

この作品は、NHK・Eテレの番組(「100分de名著 小松左京スペシャル」)のテキストとして執筆したものですので、番組を企画、制作されたNHKおよび関連会社の人々、テキスト作成に当たって助力いただき、助言をくださった人々に感謝の意を捧げなくてはなりません。この受賞が、あなた方と分け合うべき栄誉であることはいうまでもありません。
受賞作は番組テキストという性格から期限のある出版物といえます。先頃、私は本テキストを元に、その発展版である『いまこそ「小松左京」を読み直す』をNHK出版新書より上梓させていただきました。
この新書には番組の企画段階では当然上がっていながら、一回25分という時間的制約に耐え得ないと泣く泣く落とした『果しなき流れの果に』の紹介、評説が含まれております。これでようやく、私がテキストで明らかにしようとした、小松作品に一貫して流れる「思想」の大まかな見取り図を完成させることができました。
もし、この受賞で関心を持たれた方は是非、書店で手に取ってみてください。
本当にありがとうございます。終生の宝といたします。

宮崎哲弥

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自由部門

史上初のブラックホールの撮影 | EHTプロジェクト

 このたびは、歴史ある日本SF大会の星雲賞、自由部門 を受賞することになり、EHT(イベント・ホライズン・テレスコープ)プロジェクトの一員として大変うれしく思っております。

ブラックホールは一度入ったら抜け出せないという、とても奇妙な性質を持つ天体で、これまでも多くのSFファンの方々を惹きつけるとともに、多くの作品でも題材として取り上げられてきました。

今回その姿が初めて観測的に捉えられたことで、これをきっかけにブラックホールにまつわる様々な現象の科学的理解が深まることを期待しております。

そして、その成果がさらに多くのSFファンの皆様を魅了して、ブラックホールが現実の宇宙とSFの世界の橋渡しとなることを期待しております。

イベント・ホライズン・テレスコープ ジャパン代表・教授
本間希樹

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第51回星雲賞投票のお知らせ

投票受付期間

  • 2020年5月7日投票開始
  • 2020年7月5日投票締切

第59回日本SF大会「F-CON」参加者の皆さまへ

大会の開催日程は延期となりましたが、現在参加申し込みをされている方はそのまま星雲賞の投票権を付与いたします。投票にはメールでお送りした「参加登録番号」が必要となります。
投票は、メール記載のURLにてお願いします。リンク先の作品リストは参考候補作品であり、ノミネートではありません。記載されている作品以外にもご自由に投票下さい。

これから参加申し込みを検討され星雲賞の投票をしたいと考えている方は、先に登録参加をお願いいたします。登録次第、登録番号をメールいたしますので、記載のURLにて投票をお願いいたします。
もちろん、大会参加申し込みも絶賛受付中です。星雲賞投票に関しては、上記の説明通りです。
既に登録参加をされている方は、届いたメールの登録参加番号で記載のURLから投票をお願いいたします。

ゲスト参加、及びゲスト参加予定の皆さまへ

現在ゲスト参加が決定されている方々にはゲスト参加登録番号をメール致します。ゲスト参加が現在未定の方には、今回の延期に伴いスケジュールが未定であることが予想されます。そこで今回は、まずゲスト参加登録をしていただき、折り返し実行委員会からゲスト参加登録番号をメール致します。ゲスト参加登録に関しては、無料と致しますので大会参加自体は後ほどご検討下さい。ゲスト参加登録は大会申し込み必須ではありません。あくまでも今回の延期のための特例措置です。メールでゲスト参加登録番号が来た方は、記載のURLから星雲賞の投票をお願いいたします。

去年の大会のゲストの方や今までのゲストの方にも参加の有無に関係なくメールをお送りしますので、どうぞご理解の上ご容赦下さい。

以上よろしくお願い致します。